DONDIとは — カプリ発のジャージーブランド
Gruppo Dondi(グルッポ・ドンディ)は1970年、イタリアのエミリア=ロマーニャ州カプリに設立されました。
南イタリアの日差しと職人気質が育んだこの会社は半世紀以上にわたって高品質なジャージー生地の製造にこだわってきました。
一般的なジャージー生地(メリヤス編み)はTシャツや下着に使われる柔らかく伸びる素材として知られます。
しかし通常のジャージーは型崩れしやすく、テーラードの生地には向かないとされてきました。
DONDIが長年研究してきたのはこの「型崩れ問題」を解決することでした。
2019年、ゼニアグループはDONDIを買収しました。
ゼニアの染色技術・素材調達力とDONDIのニット技術が融合することで
テーラードスーツに使える本格的なジャージー生地が誕生しました。
DONDI ジャージー生地。見た目は通常の織物のようにしっかりしているが着るとニット特有の伸縮性を持ちます。
高ゲージニット技術 — 織物感覚の伸縮生地
DONDIの技術的な核心は「高ゲージ編み立て(High-Gauge Knitting)」にあります。
「ゲージ」とはニット生地の編み目の細かさを表す数値で数字が大きいほど目が細かく、生地の表面が密になります。
一般的な衣料用ジャージーが10〜14ゲージ程度なのに対して
DONDIは24ゲージ以上の超高密度編みを実現しています。
この超高密度が何をもたらすかというと
生地表面が織物に近い外観と張り感を持ちながらニットとしての伸縮性と形状回復性を維持できるという両立です。
スーツ生地として裁断・縫製しても着用中の動きに追随してシワが残りにくいです。
一般的な織物スーツが「型が決まりすぎる」と感じる場面でもDONDIは自然に身体に寄り添います。
DONDI Cotton — 超長綿のシルクような質感
「コットンとは思えない滑らかさ。ウールに見えるのにコットンの快適さ、という不思議な生地」
超長綿とは繊維の長さが38mm以上の高品質コットンのこと。
繊維が長いほど糸にしたときに表面が滑らかになり、強度も増します。
ゼニアはエジプト綿などの最高級超長綿をDONDIの高ゲージ技術で編み立てることで
従来のコットン生地では得られなかった「シルクのような質感」と「ニットの快適さ」を両立させました。
春夏のジャケットやスーツに使われることが多く、着用感が非常に軽いです。
ウールほど保温性はないがその分通気性が高く、東京の春・初夏・秋に活躍します。
DONDI Wool Fine — ウールニットの最高峰
「着用中のストレスが全くない。スーツを着ていることを忘れる感覚」
DONDI Wool Fineで使われるメリノウールはゼニア自身がオーストラリアの農場から調達する superfine グレード。
これをDONDIの高ゲージ技術で編み立てることで
通常の織物ウールスーツには存在しない「伸縮性を持ったウールスーツ」が完成します。
シルクやカシミヤとの混紡が多いのも特徴です。
シルクが加わることで表面の光沢と滑らかさが増し、カシミヤが加わることで保温性と柔軟さが高まります。
価格帯は¥36,300〜¥45,100(仕立て代別)。
TROFEO使用のスーツと比較するとプレミアムだが着心地の次元が異なります。
従来の織物との違い
| 項目 | 従来の織物スーツ | DONDI ジャージースーツ |
|---|---|---|
| 構造 | 経糸×緯糸の交差 | 高ゲージニット編み立て |
| 伸縮性 | ほぼなし〜わずか | 縦横に自然な伸縮 |
| シワへの対応 | 折り目が残りやすい | 形状回復が早くシワが残りにくい |
| 動きやすさ | 構造が動きを制限 | 身体の動きに完全追随 |
| 仕立て適性 | 従来型テーラリングで対応 | ニット対応の技術が必要 |
| 見た目のドレス感 | カッチリとしたフォーマル感 | 柔らかい高級感・現代的な印象 |
どんな方に向くか
DONDIは「スーツが動きにくい」と感じてきた方のための生地です。
- 移動の多いビジネスパーソンに。出張・移動・外回りが多く、一日の終わりにスーツのシワが気になる方に最適。形状回復性がDONDIの最大の武器だ
- スーツに動きやすさを求める方に。ゴルフ・テニスをした後にそのままディナーへというライフスタイルにも対応できる稀有な生地
- カジュアルなテーラードが好きな方に。Wool Fineの柔らかい光沢はカジュアルジャケットとしても成立する現代的な雰囲気を持つ
- 通常のウールスーツが窮屈に感じる方に。体型の変化が気になる方や、サイズが微妙にフィットしにくい方でもDONDIの伸縮性が着心地を補完してくれる
Summary
DONDIは2019年にゼニアグループ傘下となったイタリアのジャージーブランドです。
1970年にカプリで創業し、50年以上にわたり高ゲージニット技術を磨いてきました。
DONDIの生地はウールの機能を持ちながらニットの伸縮性と形状回復性を兼ね備えます。
「スーツの動きにくさ」「一日の終わりのシワ」という従来のテーラードが抱える課題に
技術で正面から応えた革命的な素材です。
FIEROではDONDIを含むゼニアの幅広いラインナップを取り扱っています。
「動きやすいスーツが欲しい」という方はぜひご相談ください。